三扇ジュエリーで作っている商品はほとんどがダイヤを使ったものですが、時々珍しい石のモノもあります。その一つがパライバ(正式にはパライバトルマリン)です。
この石は、1987年にブラジルのパライバ州で鉱脈が発見され、翌年のジュエリーショーで発表されて有名になった宝石です。
ネオンブルーとも言われる独特の蛍光色が特徴で、良質のものが少なく、高価な石らしいです。
最近、このパライバを使ったペンダントの仕事が来ました。確かに涼しげな感じのきれいなブルーの石です。(三扇のオリジナルデザインではないので写真をお見せできないのが残念です)
この時、社長から言われたのが「磨く時、白棒使ったらあかんでぇ」。
白棒とは貴金属を磨く時に使う研磨剤の事で、荒いものからやや細かい物までいくつかの種類があります。石を留めているツメの1本1本まで磨くのですが、このパライバはモース硬度が6.5~7と、比較的低いので、白棒で磨くと石が削れてキズがついたりカット面がダレるのです。ダイヤ(モース硬度10)はそんな心配なく磨けるので、ダイヤよりも気を使って磨く必要があります。白棒よりも細かい仕上げ用の研磨剤を使って磨きますが、細かくて削れない分磨きに時間がかかります。
また、石に内包物や、クラック(亀裂)が認められる物もあり、石留めも神経を使う様です。仕上げのバフ磨きの後の洗浄も、通常は超音波洗浄を行うのですが、石にクラックが入っている場合は、超音波で石が割れる可能性もあるのでこれも使えません。超音波が使えないと研磨剤の汚れも落ちにくいので、洗浄も手間が掛かるなど、色々と職人泣かせの石です。
先の《モース硬度》というのは、モースさんが決めた鉱物の硬さの順序で、硬度1の滑石(タルク)から硬度10のダイヤモンドまでの標準物質が決められています。
この標準物質でひっかいてキズがつくかどうかでモース硬度が決められています。身近なものでは、ガラスは硬度5.5。ルビー、サファイヤは硬度9。一番硬度が高いのはダイヤモンドですが、これはひっかいてもキズがつかないという意味で、もし金槌でたたけばダイヤでも割れてしまいますのでご用心!
代表プロフィール
- むちゃくちゃ忙しい宝飾店の工房で10年の修行の後、独立。
ある二組のご夫婦との出会いをキッカケに、二人で作るマリッジリング(結婚指輪)のプログラムを始める。 お二人の大切な思い出と共に残る結婚指輪の手作りを全面的にサポートしています。
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