昨日、奈良県にお住まいの石田さんご夫妻が、お2人が手作りされた結婚指輪の磨き直しのため、工房南十字星にお越し下さいました。この磨き直しは、手作り結婚指輪のアフターケアの一環として無料で行っているものです。

1年何ヶ月かぶりに工房に入られたお二人は 「あー!ここや、ここで作ったんや!」

と再訪を懐かしんでおられました。

通常は20分ほどお待ち頂く間に、指輪を新品の様にピッカピカに磨きな直してそのまま身に着けてお帰り頂くのですが、今回、奥様の淳子さんの指輪が(努力の甲斐あってか)随分ゆるくなって、一度家の中で落とされたということで、サイズ直しをすることとなりました。そのため、淳子さんの指輪はお預かりし、今回はご主人の指輪のみ磨き直ししました。

サイズ直し(小さくする場合)は一般的には指輪を、デザインや刻印などに影響がない部分を糸ノコで切と取って、そのあと、ロー付けをします。ロー付けとは、プラチナの場合はプラチナローといってプラチナよりも低い温度で溶けるプラチナの(場合によってはプラチナを含まない)合金の小片を指輪の切断箇所に置き、バーナーで加熱。指輪本体のプラチナが溶けるよりも前にロー材が融けて、切断面に流れこみ溶接される訳です。

ところが、このロー付け箇所には、プラチナとは異なる金属が入るため、ロー目といってロー付け箇所が線となって分る場合があります。

そこで、工房南十字星では、”共付け”という方法で行っています。これは、レーザー溶接機という素晴らしい装置を使い、ロー材は使わず、指輪本体の接合部分をレーザーのパルスで少しずつ溶かして指輪の地金と同じ材質のまま溶接する方法です。このレーザー溶接機は私の修行先である三扇ジュエリーにありますので、そこへ行って共付け作業をさせてもらっています。

さて、今回お越し頂いた石田さんからは、手作り結婚指輪の制作過程を写真集にまとめられたものを挙式後に頂き、お二人のご好意で、結婚指輪を作ろうと工房南十字星を訪れて下さるお客さんにもお見せしています。

頂いた写真集では、結婚指輪の手作りを決められたキッカケや、制作工程などが細かく、また楽しく書かれていて、これから結婚指輪の手作りをお考えの方にとってもご参考となる内容だと思います。

写真集の中身は手作り結婚指輪写真集(奈良県石田様)に掲載していますので、是非ご覧いただければと思います。

 

 

代表プロフィール

春日井 利光
春日井 利光
むちゃくちゃ忙しい宝飾店の工房で10年の修行の後、独立。
ある二組のご夫婦との出会いをキッカケに、二人で作るマリッジリング(結婚指輪)のプログラムを始める。 お二人の大切な思い出と共に残る結婚指輪の手作りを全面的にサポートしています。
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