前回は、両丹日日新聞の元旦号に掲載されたところまで書きました。

その正月明けに、この元旦号の記事を見たという高橋さんという女性から1本の電話があったのです。

高橋さん :「結婚指輪を自分たちで作りたいんですけど。プラチナで!」

 

材質がシルバーでしたら初めての方でもリングを作ることは可能なのですが、プラチナですと話は違います。

プラチナを加工、完成度高く磨き上げるには熟練が必要なので、初めての方がやるというのは正直なところ無理な相談なのです。

 

この女性にどうお答えするか、本当に悩みました。

もしこの時に

「いやー、プラチナは初めての方には無理ですねー。」

と返答していたら話しはそこで終わっていたでしょう。

 

しかし、せっかくそんなお電話を下さったので、何とかそのご希望にお応え出来ないかと考え提案したのが、ロストワックスを使う方法。

 

これは、ワックス(ロウソクのロウのようなもの)を削って指輪のデザインを作りそれを使って石膏で鋳型を作りそこに融けたプラチナなどの金属を流し込んで指輪を作る方法。

 

そのワックスを削るところは私がサポートしながらお2人にやってもらい、その後の鋳造、研磨、刻印などの難しい工程は私がやるという方法をご提案したところ、OKを頂きました。

 

2月初旬にお電話を下さった高橋さんとお相手の小西さんのおふたりにワックスのリングを制作して頂きました。

 

 

また、おふたりのご両親にシルバーリングをプレゼントしたいと、別の日にシルバーリング4本も作られました。

 

 

そして、2008年2月26日に小西さん、高橋さんが手作りされた結婚指輪を納品したのです。
記念すべきお客さんふたりで手作りされたプラチナの結婚指輪第1号です!

 

 

 

その時おふたりは本当に喜んで下さいました。

 

その喜ばれる姿を見たときに

”これは、なかなかええ事やなぁ”

と思った訳です。

 

結婚という人生の一大イベントに関わるものを自分たちふたりで手作りする!
ふたりの気持ちも込められるし、思い出にも残る。

 

しかも、とても喜んでもらえた。
気付けばこれは、自分の手でモノを作って人に喜んでもらいたいという、脱サラをしてこの仕事を始めるキッカケとなったことにもバッチリ合っている訳です!

 

という訳で、早速サイトに ”ふたりで手作りマリッジリング” のページを追加して工房南十字星の新しいプログラムとしてこれが始まった訳です(パチパチ)。

2008年3月のことです。

 

脱サラをした時(2003年)、小学校1年生から2年生になろうかという時期だった娘も中学校入学を迎える年齢になっていました。

 

その後、この”ふたりで手作りマリッジリング”のお客さんが少しづつですが増え、今年で12年目を迎え、累計でお客様の数は500組を超えました。

決して大儲けにはなりませんが、売上げも徐々に伸びて工房南十字星の大きな柱となったのです。

 

その後2012年7月までは、週4日(月~木)は三扇ジュエリー、残りの週3日(金~日)を自分の工房南十字星の仕事という配分でしたが、2012年7月末をもって三扇ジュエリーを円満に退職させてもらい、完全に独立。
三扇ジュエリーにはほぼ10年お世話になりました。

 

ありがたいことに、今でも三扇ジュエリーにはウチに無い装置を使わせてもらったり、相談に行ったりなど自由に出入りさせてもらっています。

 

 

こうして、小西さんご夫妻の電話をキッカケに始まった”ふたりで手作りマリッジリング”のおかげで、それまでの試行錯誤の苦労が実り、仕事として成り立つまでになったわけですが、その前に、全くのプライベートで1日体験教室に来て下さった新聞記者の足立さんとの出会いが無ければ、新聞にも載らなかったし、小西さんもウチのことはご存知なかったかもしれません。

 

そう考えると、この足立さんご夫妻、小西さんご夫妻という2組のカップルとの出会いがウチにとっては本当に大切なキーになった出会いであったと言えます。

これらの奇跡的な出会いに恵まれてここまで来れました。

 

 

今やウチの主力となった”ふたりで手作りマリッジリング”は結婚に関係した品物を手作りするものです。

結婚もまた、別々のところで生まれ育ったふたりが、色々なことの積み重ねの結果、それこそ奇跡的に出会い、これからの生涯を共にしようと決意するもので、まさに出会いの不思議、大切さを感じさせるもの。

図らずも、主力の仕事もその対象となる結婚も、どちらも人と人との出会いが共通のキーワード。

 

これから結婚生活を始められるおふたりの幸せの小さなお手伝い、という形で仕事が出来ることに幸せを感じつつ日々仕事に励んでいます。

 

代表プロフィール

春日井 利光
春日井 利光
むちゃくちゃ忙しい宝飾店の工房で10年の修行の後、独立。
ある二組のご夫婦との出会いをキッカケに、二人で作るマリッジリング(結婚指輪)のプログラムを始める。 お二人の大切な思い出と共に残る結婚指輪の手作りを全面的にサポートしています。
工房南十字星へのご相談はこちらから
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