前回は、西宮苦楽園での委託販売の話しでした。

 

脱サラをしてこの仕事を始める際、頭の中に描いた一つの商売の形態がありました。
それはネットでの販売。

 

そこには参考とした一つのサイトがありました。

それは、童謡からとったようなメルヘンチックな店名のシルバーアクセサリーのネットショップで、商品の制作から販売まで女性が一人で運営しているところでした。

 

そのサイトを見るとお客様からの声なども数多く寄せられ、結構繁盛している様子。

 

そのサイト内にある商品を見た感想はズバリ

 

「この程度の商品だったら俺でも作れそうやなぁ。
この程度の商品でも繁盛するんなら楽勝やん!」
(*個人の感想です (^^; )

 

失礼な話しですが、正直そう思いました。

 

三扇ジュエリーでの修業中、そして春日手作り市に出店していた頃も、常に頭の片隅にこのネット販売のことはあり、関連雑誌を買って情報収集はしておりましたが、なかなか実行に移すことが出来ずにいたのです。

 

 

素人がいきなりホームページを作るなんて、何から手をつけたらよいのかも全く分りません。

 

丁度その頃(2005年の秋だったと思います)タイミング良く自宅近くにある京都府立福知山高等技術専門校で一般向けにホームページ制作講座が開かれたのです。
このチャンスを逃す手はないと早速受講。
講座のある日は仕事を早めに終わらせてもらい、夜7時頃から2時間程度の講座を数回でホームページ制作の初歩を学びました。

 

これまで書いた様に2005年2月から始まった春日手作り市の販売ももう一つ。
その年の秋のアートクラフトフェスティバルinたんばの散々な結果。
そしてその後始まった西宮苦楽園での委託販売もふるわずと連敗続き。

 

このまま続けていてはダメだと判断。
そんな状態を打破すべく、春日手作り市は1年の節目となる2006年1月で見切りをつけ脱退。
次の一手として自力でのホームページ制作に舵を切りました。

 

そんな2006年3月初旬、地元の大学で開かれたITセミナーでネットショップを運営している人の講演を聞く機会がありました。

 

その日の演者は細見さんという20代半ばの男性で、『制服道場』という名のネットショップを運営している人。
高校卒業後、名古屋の専門学校に通いながらもすぐに退学しフラフラしていたところ、親から呼び戻され福知山に強制送還。
家業のユニフォーム販売会社に入社するも、隔離された部屋で机とパソコン1台があるのみ。
暇を持て余し、試しに売れ残りのユニフォームをYAHOOオークションに出品したところすぐに完売したとのこと。

 

これに可能性を感じ、ユニフォームのネットショップを立ち上げて以来売上げが右肩上がりの成長中という、
ザッとこんな話しでした。

 

商品写真は、当初はメーカーカタログの写真をそのまま載せていたところ、メーカーから著作権侵害のクレームを受け、やむなく自分がモデルとなって、例えば居酒屋店員向けの商品は自分が着て右手に一升瓶を持ってポーズを決め、それをお母さんが撮影。

 

商品販売のページだけでなく、店長の部屋というページでは、これまで体験したおもしろい話しを掲載するなど、ハチャメチャだけどおもしろい、また一生懸命さが伝わってくる話しに大いに刺激を受け、こんな若い人でも頑張っているんだ!とこの公演を機にホームページ制作に本腰を入れていくこととなるのです。

 

こうして三扇ジュエリーの仕事が終わって夜9時過ぎに帰宅、晩ごはんを終えてから深夜までパソコンに向い、ホームページビルダーというソフトを使ってのホームページ作りを始めたのでした。

 

トップページ、各商品のページ、プロフィールや特定商取引法に関するページ、買い物カゴのシステムなどサイトの構成を考え、それに従ってHPの構築。
更に商品写真や、嫁さんやウチの商品を気に入ってくれているお向かいの娘さんにモデルになってもらっての装着写真撮影、商品ラインナップを増やすなど沢山の作業を進めました。

 

ページの編集画面ではレイアウトがちゃんと出来ているのに、プレビュー画面にするとレイアウトが崩れていたりもしばしば。

「なんでこうなるんじゃ~~!!」

と夜な夜な叫びながら、またどうしても分らない所は福知山IT研究会の会員の方に聞いたりしながらパソコンと格闘すること約3ヶ月。
2006年6月10日に工房南十字星のサイトが完成し、ホームページの公開にこぎつけたのでした(パチパチ)。

 

 

これがど素人が作った公開時のHPの画像です。
今から見ると恥ずかしい(^^;

 

さあ!どれだけ注文が来るんだろうとワクワクしながら、注文を待ったのでした。
ところが・・・待てど暮らせどこれまた反応がない。

 

考えてみれば、もし時期が1990年代の後半、ネットショップの黎明期ならまだしも、時は2006年。
シルバーアクセサリーのネットショップなどと検索したらウジャウジャ何十万件とヒットする状態。

 

そんな中でウチのサイトを見つけてもらい、デザインを気に入って、更にお金を出して手に入れたいと思ってもらう。
それはなかなかハードルが高い事と言わざるを得ません。

 

それでも、注文が全く無かった訳ではなくその後1年程を平均すると月に1件程度の注文はありましたが、1つ数千円~1万円程度の商品が月に1つではとても商売とは言えません。

 

HP制作に費やした多くの時間や労力の割りにその売上げはあまりに小さいものでした。
しかし、このサイトを作ったということは決してムダではなくその後、商売の大きな基盤となったのです。

 

次回は お金の話し

代表プロフィール

春日井 利光
春日井 利光
むちゃくちゃ忙しい宝飾店の工房で10年の修行の後、独立。
ある二組のご夫婦との出会いをキッカケに、二人で作るマリッジリング(結婚指輪)のプログラムを始める。 お二人の大切な思い出と共に残る結婚指輪の手作りを全面的にサポートしています。
工房南十字星へのご相談はこちらから
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